「チョコレートが健康や美容に良い」というのをテレビや雑誌などでも特集が組まれたりしています。ですが、チョコレートであれば何でも良いというわけではありません。
チョコレートの効果を実感したければ「高カカオチョコレート(またはハイカカオチョコレート)」というチョコレートを選ぶ必要があります。
では具体的に「高カカオチョコレート」とはどのような商品を指すのか、また驚きの効果や効能について詳しく紹介します。
高カカオチョコレートとは?普通のチョコとの違いについて
チョコレートは大きく分けると「チョコレート」と「準チョコレート」の2種類があります。これは主にチョコレートの主原料のカカオの量によって決まっています。
チョコレートの効果や効能は主にカカオに含まれている栄養成分によるものなので、もちろんカカオが多い方が良いのですが、準チョコレートはカカオ分が少ないため、チョコレートの方がおすすめです。
商品パッケージの裏面を見れば「チョコレート」なのか「準チョコレート」なのかがわかります。ではチョコレートあれば何でも良いというとそうではありません。準チョコレートよりはましですが、準チョコレートに近いチョコレートでは意味がありません。
スーパーやコンビニなどで販売されている一般的なチョコレートは、まず一番多いのが砂糖です。
砂糖と乳製品、添加物などで約65%、そしてカカオ分で35%位の商品が多いです。
カカオ分がチョコレートの35%ではカカオの効果を得るよりも、砂糖の悪影響を受ける可能性があるので、できるだけカカオ分が多く、砂糖が少ない商品を選びたいものです。
そこでおすすめなのが高カカオチョコレートです。
高カカオチョコレートの特徴
「高カカオチョコレート」とは一般的に「カカオ分が70%以上のチョコレート」のことです。
「カカオ100%のチョコレート」はカカオ分だけチョコレートです。もちろんそれだけでは全くおいしくありません。そこに砂糖や乳製品などの副材料を足していくとカカオの割合(%)が下がっていきます。
最近では高カカオチョコレートをスーパーやコンビニでも見かけるようになりました。有名なのは「チョコレート効果」ですね。カカオ分が70%、86%、そして95%と種類が分かれています。
もちろん95%は砂糖が少ないので、おいしく感じないかもしれません。その場合は70%から試してみましょう。
こちらはチョコレート効果の86%のタイプです。
カカオ分が86%なので、砂糖の量が少ないです。一般的な商品ですと原材料名の最初は砂糖がきます。(原材料名は量が多い順に表示しないといけません)
原材料名を見ると一番多いのが「カカオマス」次に「ココアパウダー」、砂糖が挟まれていて「ココアバター」の順番になっています。
これだけカカオ分が多いと価格は高くなってしまいます。一般のチョコレートに砂糖が多いのは「食べやすくする」という意味もありますが、砂糖はカカオと比べて価格が安いのでチョコレートの価格を抑えることができます。
ただこれだとカカオの量が少ないため効果や効能を実感することが難しくなります。カカオの効果を期待するのであれば「カカオマスが含まれているカカオ分70%以上の商品」を選ぶようにしてください。
高カカオ70%のチョコレートの成分構成例は
- カカオマス(55%)+ココアパウダー&ココアバター(15%)=カカオ分70%
- 砂糖・乳製品など(30%)
となっています。
ちなみにホワイトチョコレートはココアバターのみ(カカオマスはゼロ)で作られています。
では高カカオチョコレートにはどのような効果が期待できるのでしょうか?
高カカオチョコレートの効果や効能
高カカオチョコレートで一番注目されている栄養成分がカカオポリフェノールです。
カカオポリフェノールの効果や効能
カカオポリフェノールはプロシアニジンなど、数種類のポリフェノールの総称です。期待される効果や効能は詳しくは「チョコレートに含まれるカカオポリフェノールの効果効能!」で
- 動脈硬化の予防
- ガンの予防やがん細胞の抑制
- ストレス対策
- アレルギー抑制
- ピロリ菌殺菌
- 美白・美肌
- 創傷治癒促進(ケガの治りが早くなる)
と紹介していますが、この他にも「脳の活性化(記憶・学習などの認知機能を促進)」や「血圧低下」、「口臭を抑制する」といった効果も期待されています。
カカオプロテインの効果や効能
カカオプロテインはカカオのタンパク質のことです。もともとはそれほど注目されていませんでしたが、カカオポリフェノールの研究途中で、ポリフェノールの健康効果では説明がつかないものがあり、カカオプロテインが注目されました。
カカオプロテインの特徴といえば一部が難消化性(消化がしにくい)という特徴があります。これがどのような効果をもららすのかと言うと、多くの栄養成分は胃や小腸で吸収・分解されてしまうのですが、カカオプロテインは全て消化せずに一部が大腸まで届きます。
そして大腸で「腸内細菌のエサ」となって整腸作用を及ぼすことが期待されています。つまり便通改善の効果があるのです。タンパク質ではありますが食物繊維のような働きをするわけです。
またカカオプロテインは「便のかさ増し効果」も期待されています。実は「便のかさ増し」は便秘改善にもつながっています。
便秘が続くと美容や健康にも大きな影響を及ぼします。
詳しくは「チョコレートのカカオプロテインの効果や効能!」をご覧ください。
テオブロミンの効果や効能
血流改善⇒冷え性改善
テオブロミンには血流を良くする作用があります。血の巡りが良くなることで冷え性の改善が期待されています。
NHK・BSの「美と若さの新常識」という番組ではチョコレートと同じカカオからできているココアと緑茶を飲んだ後の体温の変化を測ってみたところ、緑茶は30分後に体温が下がり、1時間後には完全に冷めました。
一方、ココアは30分どころか1時間経っても体温はさがりませんでした。
冷え性は女性に多いので、悩んでいる人はぜひココアを継続的に飲んでみてください。
リラックス効果
テオブロミンの血のめぐりを良くする働きは、緊張をやわらげる作用もあるためストレスやイライラの解消におすすめです。また大脳を刺激し、集中力や記憶力、思考力をアップさせる働きもあります。
アナンダアミド(AEA)とフェニルエチルアミン(PEA)
アナンダアミド(AEA)は脳内麻薬物質のひとつで
- モチベーションを高める
- 気分を高揚させる
- 快感を感じる
などの効果が期待されており、幸福感を生み出すといわれています。
アナンダミドは別名「至福物質」と言われ、脳を活性化させ、やる気スイッチを入れてくれる頼れる物質なのです。
また、精神をリラックスさせてうつ症状を改善したり、記憶力を高める働きも期待されています。
「チョコレートを食べていると幸せ!」と感じる女性は多いですが、本当にそう感じる成分が入っているとは驚きですね。
「アナンダアミド」が「至福物質」ならば「フェニルエチルアミン(PEA)」は「恋愛ホルモン」と呼ばれています。なぜ「恋愛ホルモン」と呼ばれるのかというと、「恋愛をしているときのトキメキに関わっているかもしれない」と言うことで、まだハッキリとはしていないのですが、このような説があります。
ミネラルの効果効能
チョコレートにはビタミンがほとんど含まれていませんが、ミネラルが豊富に含まれています。
ここではチョコレートに含まれている主なミネラルを紹介します。
「カルシウム」
カルシウムは骨や歯の形成に欠かせない成分で不足すると骨粗しょう症や骨折の原因となります。また精神を安定させる作用があり、「イライラする」と感じたらカルシウム不足の可能性があります。
チョコレートを食べてイライラを解消しましょう。
「マグネシウム」
マグネシウムは約300種類の酵素の働きをサポートします。カルシウムとの関わりが深く、筋肉細胞の中に入り込むカルシウムの量を調節して筋肉の収縮を促します。
またストレスが生じるとマグネシウムの消費が増えるのでしっかり摂るようにしましょう。特にカカオはカルシウムとマグネシウムのバランスが良いと言われています。
「鉄」
鉄は赤血球をつくるのに必要な栄養素で、不足すると 疲れやめまい、貧血、頭痛、食欲不振などがおこりやすくなります。特に女性が不足しやすく、貧血の原因はいくつかありますが、鉄分不足が原因の場合が多いです。
「銅」
銅は血球の形成や体内酵素の正常な働きを助けます。鉄と銅をしっかり摂ることで貧血の予防が期待できます。
「亜鉛」
亜鉛は味覚を正常に保つのに必要な栄養素で皮膚や粘膜を健康に維持するにも欠かせない成分です。また、抗酸化作用や免疫力向上、そして生殖機能の改善も期待されていますが、男性の精力増強のサプリに含まれていますね。
ミネラルは現代人が不足している人が多いです。人体にある全ての成分のうち約4%しかミネラルは占めていないと言われていますが、不足すると健康に大きな影響を及ぼすのでしっかりと摂るようにしましょう。
病院の治療でチョコレート?
2015年に全国初の専門外来「嗜(し)好品外来」が埼玉県に誕生しました。それが戸田中央総合病院です。その主な目的は生活習慣病の予防で患者さんに高カカオチョコレートなどを日常に取り入れること推奨しています。
チョコレートが生活習慣病に効くというイメージはあまりピンとこないかもしれませんが、実際に病院の治療で取り入れていることを聞くと、「やはりチョコレートは健康に良い食べ物なんだ!」と実感できますね。
ただし高カカオチョコレートは薬ではないので即効性はありません。継続して食べることで効果が期待できますし、食べ過ぎには注意が必要です。
効果を期待する場合の高カカオチョコレートの選び方
理想はローカカオチョコレート
チョコレートの高カカオチョコレートで問題はありませんが、こだわるならは高カカオチョコレートの中でもローカカオチョコレートを選びましょう。
ローカカオチョコレートは「48度以下の低温処理で作られたチョコレート」です。カカオに含まれる成分には熱に弱いものが多いのですが、ローカカオチョコレートであれば栄養価を損なうことがありません。
またローカカオチョコレートであれば、それだけ作り方にこだわっていると言えるので、ほとんどが高カカオチョコレートです。
一方で高カカオチョコレートでローカカオチョコレートでもあるという商品は少ないです。そのためローカカオチョコレートであれば高カカオチョコレートを探す必要はありません。
まだまだローカカオチョコレートはお店では見かけませんが、ネット販売では見かけますので、ぜひ一度お試しください。
チョコレートの1日の摂取量と食べるタイミングは?
高カカオチョコレート、またはローカカオチョコレートを購入した場合、1日どれくらい食べて良いのでしょうか?一般のチョコレートより砂糖が少ないから、たくさん食べても良いというのは間違いです。
高カカオチョコレート100g(板チョコ約1枚分)には「30代女性の1日分の脂質摂取量に匹敵する脂肪」が含まれています。これはカカオに含まれる脂質の量が多いためです。
脂質は他の食べ物でも摂取してしまうので、それを考慮すると1日の理想の摂取量は25g多くても50gまでにしましょう。
またカカオポリフェノールの効果は摂取した後で数時間しか持たないので食べるタイミングは1回で1日分を摂取するよりも数回に分けて食べることをおすすめします。
まとめ
高カカオチョコレートはカカオ分が70%以上のチョコレートです。チョコレートの効果はほとんどが原料のカカオの効果ですのでカカオ分ができるだけ多い商品を選びましょう。
最近は病院の治療でも高カカオチョコレートを食べるようですが、もちろん薬ではありませんので、即効性はありません。必ず継続して食べるようにしてください。
健康や美容、脳の活性化、リラックス、口臭の予防などたくさんの効果や効能が期待されています。より効果を期待するならばローカカオチョコレートを選びましょう。
ぜひチョコレートを毎日の生活に取り入れてくださいね。
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