チョコレートの原料・カカオマスとは?カカオニブ、ココアバターとの違いや注目の栄養成分について

チョコレート

チョコレートの原料で使用されるカカオマス。名前は聞いたことがある人も明確に説明することができますか?

間違いやすいカカオニブココアパウダーココアパウダーとの違いや栄養成分についても理解しましょう。

カカオマスとは?カカオ二ブとの違い

カカオニブ

カカオニブ

カカオ豆を砕いて種皮を取り除いた胚乳部を「カカオニブ」と言います。それをすりつぶしてペースト状にしたものを「カカオマス」と言います。

すりつぶしてペースト状にしたカカオマスカカオマス

すりつぶしてペースト状にしたカカオマス

海外のチョコレート製品には「カカオマス」ではなく、「ココアリカー」や「チョコレートリカー」と記載しているものもあります。

カカオマスとココアバターとの違い

ココアバターカカオニブ約55%含まれています。カカオニブをすりつぶすとペースト状のカカオマスになる理由はカカオ豆に多く含まれているココアバターによるものです。

カカオニブを粉砕するとココアバターが細胞から遊離してドロドロのペースト状になり、それを「カカオマス」と言います。

ココアバターとカカオバターとの違い

カカオは植物名で、ココアとは食品名と紹介しているサイトもありますが、実はココアカカオの違いには明確な定義がありません。

つまり、ココアとカカオは同じものなので、ココアバターカカオバターも同じものになります。

ココアパウダーとは?

ココアパウダーとはカカオマスからココアバターを一定量取り除いて固形のブロック状にした「ココアケーキ」を粉砕して粉末状にしたもので水分が7%以下のものです。ココアパウダーにも脂肪分が約11%-23%程度残ります。つまりココアパウダーにも少しですがココアバターが含まれています。

※ココアケーキはココアのケーキではありません。

カカオマス」や「ココアバター」に砂糖乳製品を配合して作られるのがチョコレートです。その配合によってチョコレートは分類されます。

ダーク、ミルク、ホワイトチョコレートの違い

チョコレートの分類

カカオマス ココアバター 砂糖 乳製品
ダークチョコレート
ミルクチョコレート
ホワイトチョコレート
ダークチョコレートスィートチョコレートビターチョコレートと呼ぶこともある
ここでの「乳製品」は、液体の牛乳ではなく、牛乳を乾燥させた「粉乳」です。
ホワイトチョコレートにはチョコレート色をしたカカオマスが含まれていません。ココアバター粉乳砂糖は「全て色が白い」ので「白いチョコレート」になるのです。

カカオマスの栄養成分

日本食品成分表にはカカオマスの栄養成分は載っていません。大東カカオが販売しているカカオマスには100gあたり、

  • エネルギー: 657kcal
  • たんぱく質 :14.2g
  • 脂質: 54.6g
  • 炭水化物: 27.2g
  • ナトリウム: 58.0mg

と紹介されていますが、ミルクチョコレートにはこれらの成分以外に

  • ミネラル類:カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛など
  • ビタミン類:ビタミンA、B群、E、Kなど(ビタミンCは含まれていない)
  • 抗酸化成分:テオブロミン、(カカオ)ポリフェノール、βカロテンなど

などが含まれていて栄養価が高い食べ物です。そのチョコレートの主原料であるカカオマスにも同じ栄養成分が含まれています。(炭水化物の一部には食物繊維も含まれています)

チョコレートを選ぶ際はカカオマスの量をチェック

チョコレートといえば以前は「太る」「脂が多く、ニキビができやすい」というイメージでした。ですが最近はカカオポリフェノールカカオプロテインが注目され、埼玉県の病院では嗜(し)好品外来もできました。

この病院では血圧が高めの人に、カカオ含有量が70%以上の「ダークチョコレート」を1日20~30グラム食べるよう勧めているように、健康や美容のためにチョコレートを食べる人も増えてきています。

ですが、市販のチョコレートであれば何でも良いわけではありません。しっかりと商品の原材料をチェックしてから購入するようにしましょう。

明治アーモンドチョコレート

こちらは2種類の明治のアーモンドチョコレートですが、一番多く含まれているのは何かわかりますか?商品の裏側を見るとすぐにわかります。(原材料表示は多い順に記載するように定められています)

まず、下記は「普通のタイプのアーモンドチョコレート」の裏面です。

アーモンドチョコレート裏面

アーモンドチョコでコーティングしているので、「アーモンド」が一番多いと思ったのですが、実は「砂糖」が一番多く、「カカオマス」は4番目の表示です。

そして次は「アーモンドチョコレート・ブラック」の裏面です。

アーモンドチョコレート・ブラック裏面

こちらはカカオマスが一番多く含まれています。砂糖が2番目なので、まだ多い感じがしますが、普通のタイプよりは甘さも抑えられています。

ここで注目したいのが「内容量」です。2種類のアーモンドチョコレートの原材料は同じものを使用し、箱の形や大きさも同じですが、内容量は

  • 普通のアーモンドチョコレートは「88g
  • アーモンドチョコレートブラックは「84g

と、カカオマス多い方が内容量が少なく、店頭価格はその時々で違うと思いますが、この時はブラックのほうが高かったです。

つまりカカオマスは砂糖より高価なので、内容量を減らさないといけないわけです。

さらに注意したいのが、こちらの明治ブラックチョコレートです。

ブラックチョコレート」というイメージから「カカオマス」が多いと思われがちですが、実際は「砂糖」のほうが多いです。

明治ブラックチョコレート裏面 カカオマス

砂糖」「カカオマス」の順になっていますね。ブラックチョコレートで苦いがから砂糖が控えめでカカオマスが多いというわけではないので注意してください。

もちろんこの商品が悪いというのではなく、「少し苦いチョコレートが食べたい」というのであれば、これで十分です。

ただチョコレートが健康や美容に良いからという理由で食べる場合は、明治であればハイカカオの「チョコレート効果」でしたら、カカオマスが一番多く、カカオ分が高くなればなるほど、砂糖の量も減るのでおすすめです。きちんと食べ分けをしてくましょう。

カカオニブのまとめ

カカオ豆」の種子を除いて粉砕したのが「カカオニブ」で、それをすりつぶしてペースト状にしたのが「カカオマス」です。

ココアバター」はカカオ豆にふくまれている脂肪分でカカオニブの約55%は「ココアバター」です。(「ココアバター」と「カカオバター」は同じもの。)

最近はチョコレートの健康や美容効果が注目されていますが、それはチョコレートの主原料のカカオマスによるものです。そのため効果を期待して食べるのであれば、砂糖が多いチョコレートではなく、カカオ分(カカオマスやココアバター)が多いチョコレートを選びましょう。

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