カカオの代表的な品種と主要産地について!生産量が多い国や日本が一番多く輸入している国は?

チョコレートの原料となるカカオカカオ豆を実らせるカカオの樹にはどのような特徴があるのでしょうか?

また、カカオと言っても一種類ではなく、いくつか品種があり、産地によって味も香りも変わってきます。ぜひこの機会にカカオの特徴を覚えましょう!

カカオ豆が育つ地域は?日本では栽培されない理由

カカオの樹

カカオ豆とは、カカオの樹に実った果実中にある種子のことをいいます。カカオの樹は高温多湿の熱帯でしか生育しません。それも赤道を挟んで北緯20度から南緯20度までに限られます。

この北緯20度から南緯20度までのカカオ栽培地帯は「カカオベルト」と呼ばれています。しかしこの範囲であればどこでも育つというわけでもなく、

  • 高度30~300m
  • 年間平均気温が約27℃で気温差が小さい
  • 年間降雨量は最低でも1,000m以上

といった条件があり、生育地域がかなり限定されます。

これらを満たす特別な地域にしか生育しない繊細せんさいな樹木がカカオなのです。このため、この条件に当てはまらない日本ではカカオの樹が育ちません。

カカオの樹が生育されているのは中南米、西アフリカ、東南アジアの限られた地域です。主力生産国は

  • 西アフリカ地域:コートジボワール、ガーナ
  • 中南米:エクアドル
  • 東南アジア:インドネシア

などで全部で約50か国ほどあります。そのうち、コートジボワール、ガーナ、インドネシア、エクアドル、カメルーン、ナイジェリア、ブラジル主要7か国で世界の総生産量の約88%を占めています。

世界のカカオ豆生産概況(2017/18推定)

順位 生産国 単位(万トン)
1 コートジボワール 200
2 ガーナ 88
3 インドネシア 26
4 エクアドル 26
5 カメルーン 24
6 ナイジェリア 24
7 ブラジル 17

カカオの代表的な3つの品種の特徴

カカオ豆は品種や産地、発酵方法などにより味が異なり、代表的な品種として、

  1. クリオロ種
  2. フォラステロ種
  3. トリニタリオ種

この3種があります。

クリオロ種「幻のカカオ」

  • 栽培地域:ベネズエラやメキシコなどごくわずかな地域
  • :形は細長くふっくら、生豆は白~黄紫色
  • :苦みが少なくマイルド
  • 香り:独特でフレーバービーンズとしても珍重

クリオロ」はスペイン語で「自国のもの」「その土地生まれ」という意味があります。原産地は南米(アマゾン川上流域地帯)と言われていますが、歴史的にはメソアメリカと呼ばれた南米地域(メキシコ、グアテマラ、ホンジュラス、ベリーズあたり)での栽培が記録されていて、アステカの皇帝モンテスマが飲んでいたのもこのカカオで作ったショコラトル(チョコレートのドリンク)だと言われています。

クリオロ種は病害に対する抵抗力が非常に弱く、栽培が困難で絶滅の危機に瀕しています。その栽培量は0.5%程度で、今では「幻のカカオ」になりつつあります。

フォラステロ種「全体の80~90%を占めている」

  • 栽培地域:ブラジル、西アフリカなど広く栽培
  • :丸くてやや小粒で、生豆は濃紫色
  • :渋みと苦味が強い
  • 香り:刺激的

フォラステロ」はスペイン語で「よその土地の」「よそ者」という意味です。原産地はアマゾン川上流域地帯、ベネズエラのオリノコ流域などです。

生長が早く、病気や害虫への抵抗力が強いため、栽培しやすい品種と言えます。世界のカカオ生産量の80~90%を占めていて、苦味・カカオ感が強く、チョコレート産業にとっては最も重要な品種といえるでしょう。派生種にナシオナル種(別名アリバ種)があります。

トリニタリオ種「2種の中間の品種」

  • 栽培地域:中米、スリランカ、パプアニューギニアなど
  • :クリオロ種とフォラステロ種の中間的性質、豆の形もさまざま
  • 味・香り:さまざま

カリブ海のトリニダード島で誕生したとことから「トリニタリオ」と命名されました。「クリオロ種」と「フォラステロ種」との自然交配でできた品種とされています。

そのため、両者の中間的な性質を持っていて、栽培しやすく良質であることが特徴です。

世界のカカオ生産量の10~15%を占めています。

ベースと風味からの分類

カカオ豆には役割による分類と呼び方があります。チョコレートのベースやブレンドに欠かせない豆を「ベースビーンズ」、加えることで風味や香りをプラスする豆を「フレーバービーンズ」と呼んでいます。

ベースビーンズには「フォラステロ系」が主に使われ、フレーバービーンズには「クリオロ系」や「トリニタリオ系」が主に使用されています。

幻のホワイトカカオ

世界でも収穫量が極端に少なく「幻のカカオ」とも評され、「カカオの原種」に近いと言われている「ホワイトカカオ」。一般的なカカオ豆は中身が紫色なのに対して、ホワイトカカオは白いのが特徴で、紫と白が混在する品種がありますが、白だけの品種は極端に少なく稀です。

カカオの産地

土地が変わればカカオの個性も変わる」と言われています。同じ品種のカカオでも産地が変わると個性が全く違うものになります。カカオの生産量は先程も紹介したように1位が断トツでコートジボワールで2位がガーナですが、日本のカカオの輸入となると

  • 1位:ガーナ(全体の輸入量の74%を占める)
  • 2位:エクアドル
  • 3位:ベネズエラ
  • 4位:コートジボワール

とコートジボワールは全体の4%だけです。この主要4か国のカカオの特徴を紹介します。

主要4か国のカカオ豆の特徴

ガーナ(西アフリカ)

カカオ生産量は世界第2位で、日本に輸入されるカカオ豆の約74%をしめる日本人が最も慣れ親しんでいるカカオ豆です。日本のお菓子メーカーがチョコレートをテイスティングする際の基準にもなっています。

ガーナでは主にフォラステロ系の豆を生産しています。この豆は酸味、苦味、渋みの3要素がバランスよく混在して豊かなコクもあります。

余韻が残る香ばしさもあり、誰からも好かれるバランスのとれたテイストを持つカカオ豆であり、カカオを代表するスタンダードな味わいがあります。

エクアドル(中南米)

赤道直下の国であるエクアドル産のカカオ豆はフォラステロ系が多いです。しかし独特の香りを持ち、カカオ感が強く品質が非常に高いため、ベースビーンズではなく、フレーバービーンズとして使われています。

それはフォラステロ系の派生種であるナシオナル種(アリバ種)と呼ばれる品種で、花のような香り(フローラル)が特徴です。口の中でパッと広がる華やかな香りの後に、適度な渋みが続くところは、ジャスミンティーを思わせます。l

酸味や苦みもありますが、香りが強いため控えめに感じられるでしょう。他のカカオ豆よりもほんのり黒みを帯びた色、バキッと折れる硬質な食感、シャープな溶け方も独特です。

ベネズエラ(中南米)

ベネズエラはクリオロ系カカオの発祥地とも言われ、現在も高品質のクリオロ系カカオ豆を生産しています。このカカオ豆は雑味が少なく、酸味や渋み、苦味のバランスが取れ、ほのかに「ローストしたナッツのような香ばしさ(=ナッティな香り)が特徴で、多くのパティシエやショコラティエをひき付けています。

香りの起伏はおだやかで、濃厚な旨味とともに、心地よい焙煎香が満足感を与えてくれます。

またベネズエラには「チュアオ」「チョロニ」といった、クリオロ系の特徴の強い貴重なカカオ豆をごく少数生産する地域があり、これらの地域のカカオ豆は最近では地域のブランドのカカオ豆として扱われるようになっています。

コートジボワール(西アフリカ)

世界の生産量の約44%を占め、世界中で最も親しまれています。マイルドという形容詞が似合うおとなしい苦味、やや重量感のある味が特徴です。バランスのとれた香りの中にピーナッツのような香ばしさがあります。香りの起伏がとてもなだらかなので、口の中に広がって消えてゆく香りの変化を楽しめます。

ヨーロッパのチョコレートの多くはコートジボワール産のカカオ豆をベースビーンズにしています。

では次に主要4か国以外の注目の産地を紹介します。

注目のカカオ産地の特徴

パティシエやショコラティエが注目していたり、一般市場で関心が高まっているカカオ豆の産地を紹介します。

マダガスカル(アフリカ)

アフリカ大陸の南東に位置する島国マダガスカル産のカカオ豆は黄色い果実や赤い果実(ラズベリーなど)を連想させるようなフルーティーな香りとすっきりとした酸味が特徴です。

フルーツとの相性が良いカカオ豆はパティシエやショコラティエの間でよく使われています。

ベトナム(東南アジア)

酸味に加え、フルーティーな香りやスパイスの香りを連想させる独特の味わいがチョコレートファンの関心を集めつつあります。

キューバ(中南米)

軽い酸味があり、キューバの特産である葉巻や樹木を思わせる香りが特徴です。生産量はわずかですが、個性的な味わいが、近年パティシエやショコラティエからも注目されています。

ドミニカ共和国(中南米)

独特の発酵感と酸味があり、ほんのりスパイシーでチョコレートらしい香味が特徴です。ラム酒と合わせても負けないインパクトとコクがあります。生産数は限れていますが、個性的な品質を保持しています。

ブラジル(中南米)

程よい酸味と強い苦味と渋みを持っています。他のチョコレートにはなクリーミーな口どけが特徴で、濃厚な風味が舌にからみつきます。男性的な雰囲気で、野性味がクセになります。

まとめ

カカオと言っても品種や産地によって全く違う味わいや香りを楽しめることがわかりましたか?最近はカカオ豆にこだわったチョコレートも多いので、まずは

  1. クリオロ種
  2. フォラステロ種
  3. トリニタリオ種

まずはこの3つの品種を覚えましょう。そして産地に関しては

  1. ガーナ
  2. エクアドル
  3. ベネズエラ
  4. コートジボワール

この4か国の場合が日本では多いですが、それ以外の希少なカカオを使用しているところもありますので、自分にはどの品種が好きか、または食べやすいかなど比べてみてください。

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